Thursday, June 08, 2023 6:53 AM

ABB、新しいフリート向け充電システム発表

 EV充電ソリューション大手ABB Eモビリティは、新しいフリート用充電ソリューション「HVC360」を発表した。

 グリーンカー・コングレスによると、HVC360はさまざまな場所の造りや用途に柔軟に対応して、電源キャビネットから最大100メートル離れた場所に4個の充電ステーションを接続でき、実証済みのコンパクトなデザインで、背中合わせ、横並び、壁際へのステーション設置ができる。

 また、充電器とつながった車両の数や充電要件に応じて、各ステーションに異なるレベルの電力を充当でき、急速充電規格コンバインド・チャージング・システム(CCS)からパンタグラフまで、あらゆる充電インターフェイスに同時に対応する。

 HVC360は、このほどバルセロナで開催されたUITPグローバル公共交通サミットで展示され、2023年9月末にはCE(欧州安全規格)とUL(北米安全規格)市場で発売される予定となっている。

 バスやトラックは、自動車全体の構成比はわずか4%だが、世界の輸送関連排ガスの40%を排出しており、脱炭素化ではそれらの急速な電動化が重要な意味を持つ。22年の世界電動バス販売台数は約6万6000台で、バス販売全体の約4.5%だったが、バスの電動化率は急速に上昇しており、欧州では20%、米国では27%、インドでは米国と欧州の合計よりも高く、中国では世界の電動バスの98%が走っている。

 こうした急成長に伴い、場所に制限がある都市部に多い発着所を拠点に電動バスが走り続けられるように、より柔軟で効率的な充電ソリューションの需要が高まっている。

 また、HVC360の短期的な用途の一つにオフロードのダンプトラックがある。22年に世界で販売された中型・大型電動トラックは約6万台で、トラック市場全体のわずか1.2%に過ぎないが、年平均47.5%という高い成長率で拡大を続けており、30年には世界販売台数は年間110万台を超えると見込まれている。

 こうした急成長は、世界各国の野心的な気候変動目標を達成するためには必要だが、同時に走行中と発着拠点の両方で効率的な充電インフラの整備が不可欠となる。