Thursday, June 15, 2023 11:51 AM

Tモバイルとグーグル・クラウド、5Gと末端電算を統合

 Tモバイル(T-Mobile)とグーグル・クラウド(Google Cloud)は6月14日、5Gと末端電算(edge computing)を組み合わせることで、会社らがデジタル変革を推進しやすくするために協業する方針を打ち出した。

 5Gアメリカスによると、Tモバイルは、パブリックとプライベート、そしてハイブリッドの5G通信網「5G ANSスイート」とグーグル・ディストリビューティッド・クラウド・エッジ(Google Distributed Cloud Edge=GDC Edge)を接続し、AR(拡張現実)/VR(仮想現実)体験といった次世代型5Gアプリケーションや応用法を顧客会社が活用できるようにする。

 世界中で多くの会社がデジタル変革に注力するなか、高速通信網に接続された末端電算システムに注目する会社は増加中だ。世界の末端電算市場規模は、2030年には2023年比37.9%増の1559億ドルに拡大すると予想される。5Gの低遅延や高速、信頼性を末端電算と組み合わせることが、小売や製造、物流、スマート都市といった広範の業界に効果的用途をもたらすカギになると期待される。

 GDCエッジの利用会社らは両社の提携によって、業界を問わずTモバイルの5G ANSを簡単に活用でき、ARや機械視認(コンピューター・ヴィジョン)といったデータ集約型電算処理を必要とする用途において、安定した5G通信網の恩恵を受けることができる。

 製造業の場合、機械視認技術によって設備や機械、工程を監視し、検出された問題が担当者に即時通知される。その結果、安全性の向上や問題悪化の回避が可能となる。一方、複数の自治体では、それらに拡張現実を統合し、公共事業にともなう危険な作業を機械で遠隔操作することで、作業員らを事故やケガから守る応用法を取り入れている。

 両社はまた、同ソリューション(5G ANSとGDCエッジの統合プラットフォーム)を小売業界向けに商品化するために、マジック・ミラーと命名された概念実証を成功させたばかりだ。マジック・ミラーは、双方向ディスプレイとクラウド基盤のデータ処理、末端での映像レンダリングを組み合わせ、店内の商品を「魔法のように」浮かび上がらせる。来店者たちはそれによって、商品を鏡の前にかざすだけで、双方向の動画や商品詳細情報を画面で閲覧できる。

https://www.5gamericas.org/t%E2%80%91mobile-and-google-cloud-join-forces-on-5g-advanced-network-solutions/