Wednesday, June 28, 2023 11:50 AM
レストラン予約を生成人工知能が受け付け
生成人工知能による電話応答技術を開発するスラング・ドット・エイアイ(Slang.ai)は、接客業界の電話対応に人工知能技術を活用することで同業界の課題解決をねらっている。
ベンチャービート誌によると、「店に電話する体験にはだれもが不満を感じている。待たされたり留守番電話につながったりするのは嬉しくない。人工知能を使えば、それを変えることができる」と、同社の共同設立者兼CEOのアレックス・サムヴァニ氏は話す。
もう一人の設立者のガブリエル・ダンカン氏は、スポッティファイ(Spotify)でデータ科学者として働いた経験がある。ダンカン氏はスポッティファイ時代に、人工知能を活用した電話応答技術がレストランや接客業界の会社らにとって有益であることに気づいたという。
スラング・ドット・エイアイは、使っている人工知能モデルについて詳細を明らかにしていない。「当社の人工知能エンジンは、さまざまの技術を基本として構築されている。それによって、それぞれの技術の強みを活かせるようになる」とサムヴァニ氏は説明している。
同社のソフトウェアは、特に多忙なレストランや小売店を想定して設計されている。問い合わせ者は、あらかじめプログラムされた音声自動案内の経路に縛られることなく、自然に聞こえる合成音声での回答をすぐに得られる。標的市場は、レストランのほか、電話による顧客対応の必要がある業態の会社らだ。予約の受け付けをはじめ、メニューや営業時間に関する質問への回答を自動化する。
同ソフトウェアはまた、顧客対応に関するデータを分析し洞察として事業主に提供する。データ分析の結果として、たとえばアップセル(より高額の商品を売り込むこと)の機会を示すことができる、と同社は説明している。
同社はすでに200以上の顧客会社を獲得している。顧客には、スラティー・ヴィーガン(Slutty Vegan)やパーム・ハウス・ホスピタリティー・グループ(Palm House Hospitality Group)といった有名レストランも含まれる。2022年来の売上高成長は6倍に達している。
同社の急成長と可能性にはベンチャー・キャピタリストらも注目している。6月27日には、シリーズAの資金調達で2000万ドルを獲得したことを発表した。今回の投資家には、著名なレストラン実業家であるトム・コリッチオ氏も含まれる。
スラング・ドット・エイアイは、今回の調達資金を販促に投じることで同技術の普及を図る計画だ。
https://venturebeat.com/ai/calling-a-restaurant-an-ai-voice-may-answer-now-thanks-to-these-former-spotify-data-scientists/