Thursday, July 13, 2023 11:10 AM

ダッシュワークス、情報や知識の社内検索ツールを発表

 サンフランシスコ拠点の新興企業ダッシュワークス(Dashworks)は7月11日、社内に蓄積された情報や知識の検索を自然言語処理技術によって簡便化するツール「ダッシュAI(Dash AI)」を市場投入した。

 ベンチャービート誌によると、「当社が目指しているのは、社内にすでにある知識をフルに活かすための技術をもたらすことだ」と、同社の共同設立者プラサド・コーシカーCEOは話している。

 こんにちの会社や組織では、従業員らが業務で使うさまざまのツールに情報が点在するようになっている。表計算ソフトウェアのような構造化されたデータもあれば、スラック(Slack)で行われた社内会話のように非構造化データもある。それらすべてをまとめて管理し、生産性と利益性に有意の効果をもたらすことが課題となっている。

 コーシカー氏は、ソフトウェア開発会社で働いたときにその課題を体験した。「信用スコアに関するプロジェクトに携わった際、適切な資料や書類を見つけるのに7本のメール・スレッドと8週間が必要だった。社内に点在する情報の検索コストの高さを実感した」と同氏は説明した。

 同氏は、スタンフォード大学時代の友人であるプラティ・シャーマ氏と2020年にダッシュワークスを設立した。当初には、グーグルのウェブ検索機能に似た社内向け検索プラットフォームを提供したが、現在、自然言語入力によって各種の書類やメッセージ、電子メール、そのほかのアプリケーションに散在する情報を見つけられるまで機能を拡充した。

 「大規模言語モデルが使えるようになったことで、自然言語の会話能力を持つ製品をつくれるようになった」とコーシカー氏は説明している。

 近年、社内に蓄積されるデータや知識、情報の量が増えると同時に、それらの活用に取り組む会社も増えている。仕事に使われるアプリケーションが多種多様化したことで、むかしのようなデータベースでは太刀打ちできない。ダッシュAIは、そういった会社らに新たな解決策を提供するものだ。

 ダッシュワークスは今回、シード・ラウンドで500万ドルの追加投資を獲得したことも明らかにした。以前から同社に投資しているポイント72ベンチャース(Point72 Ventures)も追加投資した。ダッシュワークスの累計調達額は今回の調達によって900万ドルに拡大した。ダッシュワークスは今後、質問に答えるチャットボットといった生成人工知能機能を追加していく計画だ。

https://venturebeat.com/ai/dashworks-launches-ai-assistant-to-streamline-internal-knowledge-for-enterprises-raises-5m/