Friday, August 04, 2023 11:53 AM

オハイオヘルス、ジップラインの配達ドローンを採用

 病院大手のオハイオヘルス(OhioHealth)は8月3日、世界最大の自律配送サービス大手ジップライン(Zipline)を使った完全電動ドローンによる自動配達を自社サービス網に統合するために、ジップラインと提携したことを明らかにした。

 オハイオヘルスのプレス・リリースによると、オハイオヘルスはジップラインのプラットフォーム2を採用し、処方箋を患者らの自宅に直接届けるほか、病院施設間での検体や備品類の移動を自動化する。

 両社は、高速かつ静かで持続可能性のあるドローン配達によって、オハイオ州コロンバス地域で2025年までに約200万人をサービス対象にする自律配達サービス網を構築する計画だ。両社の提携は、診断時間の短縮や患者への処方薬直接配達、完全電動化による二酸化炭素排出量の削減を実現すると期待される。

 「従来の配達方法とくらべ、より早く、より低コストで患者に届けることができ、配達物の梱包材も少量で済む」とオハイオヘルスの薬局サービス担当副社長チャールズ・マクラスキー三世は話す。さらに、緊急現場に医療機器や医薬品をすばやく届けるのにもジップライン・ドローンを活用することで、救急医療の能力向上に大きく貢献する。

 ジップラインによると、同社のドローンを使えば、従来の配達手段より平均7倍の早さで届けることができる。また、自動車による配達にくらべて二酸化炭素を最大97%削減できるということが調査で判明した。

 最近に導入されたプラットフォーム2では、飛行機型ドローンの腹部に収納された箱型の配達ドローン(同社ではドロイドと呼んでいる)を母体からワイヤーで吊るして、配達先の玄関口や裏庭といった指定場所にやさしく着陸させ、ドロイドの下部のフタを自動で開けて配達物を置くという手法に改善された。以前は配達物を落下傘で落とす方法だった。

 第三者機関による最近の研究では、ジップラインのドローン・システムが人命救助や医療サービスの向上、患者の転帰改善に役立つことが示された。ペンシルバニア大学の研究者らは、ジップラインの配達システムによって、産後出血による院内妊産婦死亡が88%減少したと報告した。

 米国では、ミシガン・メディスンやマルチケア・ヘルス・システムス、インターマウンテン・ヘルスといった医療機関がジップライン・プラットフォーム2の利用契約をすでに結んだ。

https://newsroom.ohiohealth.com/ohiohealth-to-use-zipline-for-drone-delivery-of-medications-lab-work-supplies/