Friday, August 11, 2023 6:45 AM

ルシッド、年間生産目標を堅持〜電動SUVの生産資金は確保

 高級EVメーカーのルシッド(Lucid)は、年間生産目標を堅持し、24年から25年にかけて待望の電動SUVの生産を始めるための資金が十分あることを明らかにした。

 ロイターによると、同社4〜6月期決算は、売上高と純損益が市場予想を下回ったが、6月に大株主であるサウジアラビアの公共投資基金(PIF)が主導した30億ドルの増資により、部品不足と闘うための資金が少ない同業よりも有利になっている。

 ルシッドは23年に1万台のEVを生産する予定だが、4〜6月期の出荷台数は1404台と前期とほぼ変わっていない。同社は需要を高めるため、特別オファーの一環として高級セダン「エア」を値下げしており、エアの「ピュア」モデルは現在8万2400ドルで販売している。

 テスラが今年、エアと直接競合する「モデルS」を8万8490ドルまで大幅に値下げしたほか、借入コストが上昇したことがルシッドの成長の障害となっている。シェリー・ハウス最高財務責任者(CFO)は「消費者がマクロ経済の影響を受けているため、われわれは価格を下げている」と語った。その決断を後押ししたのはコスト削減で、物流費と人件費が下がった。まだコスト削減の余地はかなりあるという。

 ルシッドは大量の在庫を抱えているが、同社幹部らは今の値下げ販売がどれくらい続くか、需要が改善しても低価格を維持するかについては触れなかった。

 ルシッドの4〜6月期売上高は1億5090万ドル(リフィニティブの予想は1億7500万ドル)、調整後の純損失は1株当たり42セントと予想(33セント)より拡大した。現金残高は、3カ月前の9億ドルから6月末時点では27億8000万ドルに増えた。

 ルシッドは24年の発売に向け、11月に電動SUV「グラビティー」を発表する予定。