Monday, August 28, 2023 7:03 AM
対中半導体輸出の制限強化で米業界は弱体化〜エヌビディアが警告
半導体大手エヌビディア(Nvidia)は24日、ジョー・バイデン政権が決定した中国向け半導体輸出制限の強化について、米半導体企業にとって「永久的な損失」と競争力低下につながる深刻な危険性をもたらすと警告した。
米政府は、対中技術輸出規制強化策の一つとして、半導体関連の対中輸出を規制しているほか、最近は先進半導体の対中輸出を新たに制限する措置を決めたばかり。
CNBCによると、エヌビディアのコレット・クレス最高財務責任者(CFO)は「当社の半導体製品の優位性や極めて旺盛な需要を考慮すれば、データセンター向けGPUに関する輸出制限が追加されたとしても、われわれの業績に重大な影響を与えるとは考えにくい」と話し「長期的には、米半導体業界が世界市場をけん引する商機を永久に失うことになる」と指摘した。
中国は、エヌビディアの最大事業であるデータセンター向け画像処理半導体(GPU)の売上高の20〜25%を占める。直近四半期における同事業部門の売上高は、前年同期比171%増の103億2000万ドルと過去最高を更新した。
バイデン政権は、対中半導体輸出制限強化の目的について、軍事利用できる技術を中国が入手することを阻止するためと説明している。米中は、人工知能(AI)をはじめとする先進技術分野で覇権争いを強めている。高性能チップはその戦場の一つだ。
エヌビディアのGPUは、生成AIブームを受けて世界中のAIクラウド・データセンターで大量に使われるようになった。中国でも、巨大データセットを訓練するためにエヌビディア製GPUが使われている。