Monday, August 28, 2023 11:54 AM

マスターカードとビザ、バイナンスとの取り引きを一部停止

 経営難に陥った暗号通貨取り引きサービス大手のバイナンス(Binance)は、クレジット・カード決済サービス網大手であるマスターカード(Mastercard)とビザ(Visa)との取り引きの一部を失った。

 CNBCによると、その原因は、バイナンスが規制当局の厳しい監視や金融規制遵守をめぐる広範の懸念に直面しているためだ。そのことは、伝統的な金融サービス会社らがバイナンスとの取り引きに警戒感を強めていることを明示するものだ。

 マスターカードは、カード利用者らが暗号通貨を使って購入できるバイナンス・ブランドのカードの提供を、南米と中東で近く打ち切る方針だ、とバイナンスは8月24日にエックス(旧ツイッター)で告知した。

 「その影響を受けるのは、ごく一部の利用者(南米と中東の市場におけるマスターカード利用者の1%未満)だ」「バイナンス・ブランドのマスターカードは2023年9月21日を最後に使えなくなる」とバイナンスは説明した。

 「世界中のバイナンス口座は影響を受けない。利用可能の場所では、利用者らはバイナンスが設計した非接触かつ越境決済かつ安全な暗号通貨決済技術であるバイナンス・ペイを使って暗号通貨で買い物をしたり暗号通貨を送金したりできる」と同社は付け加えた。

 一方、ビザも、バイナンスとの同様の提携を終了し、欧州における同社との提携カードの新規発行を7月にすでに中止している。

 バイナンスは、米国証券取引委員会(SEC)や商品先物取引委員会を含む規制当局からの激しい審査や告発に直面している。

 SECは、バイナンスとそのCEOである趙長鵬(チャンポン・ジャオ)氏に対し、数十億ドルの顧客資金をバイナンスの自己資金と混同させた疑いで13件の告発を行った。

 そのほか、チェックアウト・ドット・コム(Checkout.com)も先日、不正行為を理由にバイナンスとの取り引きを打ち切った。チェックアウトは、「規制当局による調査や命令の報告」に加え、「取り引き先からの懸念の問い合わせ」や「バイナンスの資金洗浄に加担させられる可能性への対策、制裁、規制遵守違反の懸念」を理由に、バイナンスを顧客から外したと報じられた。

https://www.cnbc.com/2023/08/25/mastercard-ends-binance-card-partnership.html