Tuesday, August 29, 2023 6:40 AM

BYD、米ジェイビルから中国電子部品事業買収

 中国の電気自動車(EV)最大手、比亜迪(BYD)は28日、同社のエレクトロニクス部門が米国の電子機器受託生産大手ジェイビル(Jabil、本社フロリダ州)から中国におけるモバイルエレクトロニクス製造事業を買収することで合意したと発表した。買収額は158億元(22億ドル)。

 ロイターによると、BYDのBYDエレクトロニック(BE)部門は、シンガポール拠点のプリント基板製造ジェイビル・サーキットから成都(四川省)と無錫(江蘇省)の製品製造事業を買収することで、顧客基盤と製品ポートフォリオ、スマートフォン部品事業を拡張させる。

 BYDは今ではEV事業が有名だが、最初は電子部品の販売から出発し、2007年にBE部門を香港証券取引所に上場した。

 BEの主要事業は、スマートフォンやノートパソコンなど消費者電子製品向けの部品販売。これは同社の三つの主要事業セグメントの一つで、22年の総売上高の70%以上を占めた。

 コンサルティング会社Sino Auto Insightsのトゥー・レ氏は「BYDは市場で優位に立つEV以外にも事業を行っているのだと再認識させられた」と述べ、BYDは移動通信機器のサプライチェーン(供給網)の上位に位置し、アップルのサプライヤーでもあると付け加えた。

 シティのアナリストはメモの中で、今回の買収は無錫にあるジェイビルの「グリーン・ポイント」金属ケーシング(容器)事業が絡んでいるとの見方を示し、BEがより高い市場シェアでアップルのケーシング供給にもっと食い込む可能性があると述べた。

 BYDのケニー・ウィルソンCEOは声明で、買収が完了すれば、ジェイビルは「EV、再生可能エネルギー、ヘルスケア、AIクラウドデータセンター、その他のエンドマーケット」へのさらなる投資が可能になると述べた。