Monday, September 11, 2023 11:58 AM

マッキンゼーとセールスフォース、新たな協業に合意

 マッキンゼー(McKinsey)とセールスフォース(Salesforce)は9月7日、営業や販促、商取引、サービス向けに信頼性の高い生成人工知能の普及を加速するための新たな協業を発表した。

 マッキンゼーのプレス・リリースによると、両社は提携のもと、アインシュタイン(Einstein)やデータ・クラウド(Data Cloud)を含むセールスフォースの顧客関係管理(customer relationship management=CRM)技術と、マッキンゼー独自の人工知能およびデータ・モデル群、資産、能力構築力を統合および連携させる。

 両社は、顧客会社らがそれぞれの仕事に関連する構造化データと非構造化データを統合し、購買体験や営業生産性の向上、デジタル販促キャンペーンの個別化、電話対応時間の短縮を実現できるよう支援する。

 「生成人工知能の可能性を完全に実現するには、成長に適した技術と運用の強化が必要だ」「両社の提携はそれらを提供し、顧客会社らの革新を支援する」とマッキンゼーの上席パートナーであるラレイナ・イー氏は話した。

 かたやセールスフォース傘下のセールスフォースAIのクララ・シーCEOは、「こんにちのビジネス環境において、信頼と透明性に根ざした人工知能優先の取り組み手法を採用することは選択肢ではなく必須条件だ」「両社は組織全体で生成人工知能を最大限に活用し、顧客会社らの成長を実現するために必要な戦略と技術を提供するために協力する」と話した。

 マッキンゼーによる最近の調査では、生成人工知能は今後数十年間に世界で4兆4000億ドル相当の生産性を生み出し、販促支出を5~15%増やし、営業生産性を3~5%上昇させる可能性があると明示された。さらに、生成人工知能への投資を計画している会社の割り合いは40%に上る。

 今回の協業合意は、両社のソフトウェアやデータ資産、大規模の生成人工知能ソリューション群の構築に焦点をあわせ、それらの応用法や実装方法を創造し、会社らが測定できる成果を実現することを支援する。両社はそれにともなって、各社の人工知能戦略を効果のある実用例に結びつけ、マッキンゼーによる迅速なソリューション設計の概念実証や利用会社らによる試験運用を進める計画だ。

 マッキンゼーのデータ科学者やソリューション設計工学者、クラウド電算工学者、利用者体験設計者、企業文化専門家たちで編成される協業班はそのために、各社の生成人工知能導入班と一緒に仕事にあたる。

https://www.mckinsey.com/about-us/new-at-mckinsey-blog/delivering-tech-powered-growth-through-generative-ai