Tuesday, September 19, 2023 11:43 AM

アンスローピックとボストン・コンサルティングが提携

 生成人工知能開発の新興大手アンスローピック(Anthropic)とコンサルティング大手ボストン・コンサルティング・グループ(Boston Consulting Group=BCG)は9月14日、アンスローピックの大規模言語モデル(large language model=LLM)「クロード2(Claude 2)」をBCGの顧客会社らに提供する提携に合意したことを明らかにした。

 ベンチャービート誌によると、BCGの顧客会社らは両社の提携によって、さまざまの戦略的ソリューションに人工知能モデルを統合でき、生産性の向上や業務改革の加速を図ることができる。

 世界的なコンサルティング大手らは昨今、生成人工知能の開発会社との戦略提携を積極的に模索している。その潮流をとらえるべく、アンスローピックは提携による法人市場の開発に注力している。アンスローピックは、8月には韓国のSKテレコム(SK Telecom)と提携し、1億ドルの投資を受けると同時に、SKテレコムのために生成人工知能技術を構築すると発表したばかりだ。

 BCGとの提携では、クロード2の用途は明確にされていない。ただ、市場調査や顧客洞察調査の報告書作成といった比較的長文の文書を作成する際の調査や執筆がおもな用途として想定される。

 また、不正行為検出や需要予想、文章作成といった用途も検討されている。たとえば、企業資源計画を目的とした仕様の作成や、人材資源管理業務で必要となる職務内容説明書の作成、財務報告書の作成が考えられる。BCGでは、顧客らと協力して試験的に導入する、と説明している。

 BCGはアンスローピックとの提携前からアンスローピックのモデルを社内システムで使ってきた。

 「会社経営者らは生成人工知能の大きな潜在力を活かしながら、その利用にともなうリスクを管理したいと考えている」と、アンスローピックのニーラヴ・キングズランド戦略提携責任者は話している。

 両社の提携に似た最近の関係構築としては、オープンAI(OpenAI)とベイン&カンパニー(Bain & Company)や、コウヒアー(Cohere)とマッキンゼー(McKinsey)、オープンAIとPwCが挙げられる。また、EYも先日、独自の生成人工知能プラットフォームの導入を発表した。

 アンスローピックは、チャットGPTの開発元として知られるオープンAIの競合社で、評価額50億ドルと推定されるユニコーン(評価額10億ドル以上の私企業)だ。

https://venturebeat.com/ai/anthropic-and-bcg-form-new-alliance-to-deliver-enterprise-ai-to-clients/