Friday, October 06, 2023 11:50 AM

アトロポス・ヘルス、臨床データへのアクセスを民主化

 シリコン・バレー拠点の新興企業アトロポス・ヘルス(Atropos Health)は10月5日、医学研究の最新情報を幅広く提供するための人工知能システムを発表した。

 ベンチャービート誌によると、同社の「ジェニーヴァ・オペレーティング・システム(Geneva Operating System)」は、自然言語処理と生成人工知能を活用して、臨床データをすばやく検索することができる。これまでは8週間から6ヵ月かけて学術誌に発表されていたような高い質の結果を、特別な技術のない利用者でも数分で入手できるようになる。

 同システムにはまた、チャットRWD(ChatRWD)と呼ばれるチャットボットも搭載されている。利用者が平易な言葉で質問を入力すると、人工知能が検索を改良する方法を提案し、適切なデータを受け入れて統計的手法で分析したうえで、結果をまとめる。

 アトロポス・ヘルスでは、匿名化された患者の医療記録を1億6000万件以上接続化しており、そこからデータを取得して活用できるよう設計されている。利用者らはまた、接続網上のどのデータを使うかを選択できる。データを接続網上で共有する提供者には、それに対する報酬が払われる。

 「臨床医が治療の決定をくだす際、また、研究者が研究課題を決める際に、個人化(個別化)された現実の根拠を世界中で使えるようにしたい」と、同社の共同設立者兼CEOのブリガム・ハイド氏は話している。

 ジェニーヴァOSとチャットRWDを使ったことのある人たちを対象に実施されたネット・プロモーター・スコアを調べたところ、40ポイント台の高評価が出た、と同社は報告した。

 「当社の製品を一つ導入した顧客は、次にいくつも導入する傾向にある。利用者体験が非常にすぐれているからだ」とハイド氏は話した。

https://venturebeat.com/ai/atropos-health-leverages-ai-to-democratize-access-to-real-world-evidence-in-healthcare/