Thursday, October 12, 2023 11:54 AM
アボット、消費者向け身体装着型端末市場に進出へ
医療機器大手アボット・ラボラトリース(Abbott Laboratories)のロバート・フォードCEOは10月10日、ラスベガスで開かれたHLTH会議に登壇し、消費者向け身体装着型端末市場に進出する計画を明らかにした。
CNBCによると、アボットの売り上げの大部分は各種の医療機器と診断ツール群から計上される。そのなかの一つである迅速(約15分)コーヴィッド検査キットは、2021年に77億ドル、2022年に84億ドルという驚異的な売上高をもたらし、2022年の総売上高437億ドルの大きな部分を占めた。
しかし、コーヴィッド19パンデミックが収束したため、検査需要も激減した。2023年の第2四半期、アボットは2億6300万ドルのコーヴィッド検査キットを売り上げたが、それは前年同期の23億ドルからの大幅減少だ。
検査キットの需要が劇的に弱まることは当初から容易に予想できたため、同社は、新製品群の研究&開発に投資してきた。その一つに、フリースタイル・リブレ(FreeStyle Libre)という継続的血糖値追跡装置(CGM)がある。フリースタイル・リブレは、第2四半期に13億ドル以上を売り上げた。
フリースタイル・リブレはまた、同社が身体装着型端末市場に進出するきっかけになった製品だ。同機器は、言うまでもなく糖尿病患者向けだが、糖尿病患者でない人たちが、食事やそのほかの日常生活に対する自分の身体の反応を知る手段としてフリースタイル・リブレの利用に興味を示している、とフォード氏は話した。
「健康人口の方が疾病人口よりはるかに多い」「われわれは、健康であり続けたいと願う人々にも目を向け、彼らのための製品やソリューション、サービスを開発する必要があると考えている」と同氏は話した。
同社がねらっている身体装着型端末は、同社が2022年1月に発表した身体装着型検知器のリンゴ(Lingo)を土台とする。リンゴは、グルコース水準を追跡し、食事や睡眠、運動に関する推奨事項を利用者らに提示する個人化された指導アルゴリズムにアクセスできるようにするアプリケーションと連携する。
同社はリンゴを進化させることで、消費者たちが自身の新陳代謝に関する理解を深め、最終的にはより健康的な意思決定をくだす手助けになる身体装着型端末として機能させる方針だ。
アボットは、リンゴの認可申請書を2023年末までにFDA(Food and Drug Administration)に提出する予定だ。
https://www.cnbc.com/2023/10/10/abbott-ceo-robert-ford-at-hlth-pushing-into-wearables-as-covid-fades.html