Tuesday, October 24, 2023 6:57 AM

ユミコア、AESCの米工場にEV電池正極材を長期供給へ

 非鉄金属技術大手ユミコアは、日産自動車の元子会社が母体の車載リチウムイオン電池大手AESC(本社・神奈川県)が米国の製造拠点で生産する電気自動車(EV)用電池向けに、高ニッケルの正極材(CAM)を10年間にわたって供給する契約を締結した。

 ユミコアのプレスリリースによると、同社は2026年から35年まで、年間で最大50ギガワット時(GWh)分の電池を賄える量のCAMを提供する予定。韓国・天安市にある工場から供給を開始し、カナダ・オンタリオ州ロイヤリストの工場(26年に稼働開始予定)が立ち上がり次第、同工場からの供給も行う。

 AESCにとって、ユミコアとの提携は米国事業を強化する上で重要な戦略の一つ。原材料の供給網を多角化することで、BMWグループを含む自動車メーカーの米国生産拠点への安定的な電池供給が可能になる。

 AESCは現在、ケンタッキー州とサウスカロライナ州に工場を建設しており、既存のテネシー州の工場と合わせ、26年には米国で3工場を稼働する予定。

https://www.umicore.com/en/newsroom/umicore-and-aesc-enter-into-long-term-supply-agreement-for-ev-battery-materials-in-north-america/