Monday, October 30, 2023 11:59 AM
ネクターAI、ブランド・メッセージングで台頭か
新興企業のネクターAI(Nectar AI)は10月26日、ブランドから消費者に直接訴求するためのメッセージ作成を目的とした生成人工知能技術を発表した。
テッククランチ誌によると、同社の共同設立者であるミスバー・ウレイジー氏とファラ・ウレイジー氏は、どちらもメタ・プラットフォームス(Meta Platforms、旧フェイスブック)に勤めていた姉妹で、前者は法人および個人向けの人工知能ツールの開発に携わり、後者は、フェイスブックの「コミュニティー」および「グループ」向けの商品開発に携わっていた。
「利用者たちがメタの生態系のなかで時間をもっと費やすよう促すための商品を構築していたが、それらはいずれも応急処置的な商品にすぎないと気づいた」「特にZ世代にはプライベート・メッセージ機能を好む傾向が見られ、その量は過去5年間で爆発的に成長した」とミスバー・ウレイジー氏は指摘する。
ネクターAIは、消費者直販やイーコマースを手がける企業向けメッセージ・ツールを提供している。同社が今回発表した生成人工知能ツールは、大規模言語モデル(large language model=LLM)を使ってブランド会社らが多数の個人に直接的に働きかけることを可能にする。
同社の強みは、ソーシャル・メディアやコマース・サイトのプロファイルから個々の消費者を地図化(アイデンティティー・マッピング)して集める情報にもとづいてブランドから消費者に個人化(個別化)メッセージの発信を簡便化する技術だ。同製品はベータ版の段階にあり、一般提供は「2024年半ばのどこかの時点」の見込みだ、とミスバー・ウレイジー氏は説明している。
同社は最近、シード前段階の資金調達で200万ドルを獲得した。
両氏は、当面のおもな利用会社として中小規模のファッションおよび美容ブランド会社らを想定している。利用会社はブランド会社だが、ネクターAIの顧客となるのは、多数のソーシャル・メディア・チャンネルにわたる数千件の書き込みを管理しているデジタル販促(広報戦略)サービス会社らとなる。
「複数のソーシャル・メディアでそこそこの水準のエンゲージメント(関与、関係構築、つながり)を獲得しているブランドや、それらのプラットフォームでのキャンペーンに重点的に投資しているブランド」が同社にとってのおもな市場になる、とミスバー・ウレイジー氏は説明している。
https://techcrunch.com/2023/10/26/social-commerce-meta-ai-brand-messaging/