Friday, March 15, 2024 7:14 AM

ホンダと日産、EV部品共通化でコスト削減へ〜大型連携で業界地図、一変か

 ホンダと日産は15日、EVなど電動車の分野で協業を検討していくことで覚書を締結した。先行する米国や中国のメーカーに対抗するため、EVの基幹部品であるイーアクスルの共通化や部品の共同調達などでコストを下げ、競争力を高める。国内有力メーカー同士のタッグが実現すれば、トヨタ一強だった日本の自動車産業や国境を越えた連携が進む自動車業界の構図に大きな変化が生まれる事になる。脱炭素化を背景に拡大するEVの販売ではテスラや比亜迪(BYD)がリードし、存在感は薄かった日本勢が巻き返しに向けた一手となるか、文字通り注目されそうだ。

 ホンダはEV開発で異業種のソニーグループと連携しているが、共同開発を模索するGMとはEVの27年米国販売を断念するなど不透明感がただよい、中国でも2割減産の観測が出ている。一方の日産は30年度までに全車種の半数を超える27車種でEV展開する方針を示しているが、タッグを組むルノーのEV子会社上場がダメになり、頼みにしていた中国でも3割減産においこまれた。このままでは、世界の潮流に遅れるとの焦燥感が、起死回生の連携に繋がったと言えそうだ。

 両社は部品の共通化を足掛かりに、EVの車台の設計や開発の共通化、電池の共同調達なども目指すとみられる。HVの供給などで互いのラインアップの充実、全固体電池の開発などへ協業の対象が広げていくことも視野に入れる。