Thursday, April 04, 2024 7:21 AM

EV電池の重量、10年で半減すべき〜ステランティスCEO

 ステランティスのカルロス・タバレスCEOは3日、自動車業界は今後10年間で電気自動車(EV)電池の重量を50%減らさなければ、環境上意味のある電動化を実現することはできないとの認識を示した。同社主催の「モビリティーの自由フォーラム」で語った。

 ロイターによると、タバレス氏は400キロメートルの「そこそこの航続距離」性能を備えたEVの電池パックを作るには、従来型の車に比べて平均約500キログラム重い原材料が必要だと前置きし「環境保護の観点からこれは理屈が通らない」と述べた。

 同氏は、自動車業界は新しい科学に基づいて電池の出力密度で「ブレイクスルー(画期的成功)」を達成する必要があり「私はそれが実現しつつあると思う。今後10年間で電池パックの重量を50%減らすことは可能だ」と語った。付け加えて「現在ほとんどの電池に含まれる重要な材料リチウムの不足という問題の解決にも役立つだろう」と述べた。

 「モビリティーの自由フォーラム」は、欧州の自動車ロビー団体ACEAからの脱退を決めたステランティスによって2022年末に設立された。モビリティーを取り巻く問題やトレンド、地球温暖化への影響を取り上げ、利害関係者との議論を促進することを目的としている。

 タバレス氏はまた、水素の利用について、その製造に使うエネルギーがクリーンだと仮定しても水素のコストは「非常に高い」ため、現在の大量モビリティーにとって実行可能な代替技術ではないと述べた。