Wednesday, August 14, 2024 6:51 AM

デンソー、英セレスと提携〜セルスタック量産化で

 デンソー(愛知県)はこのほど、水を電気分解して水素を生成する装置「SOEC(固体酸化物形水電解装置)」の早期実用化を目指し、英国のセレス・パワー(Ceres Power)と製造ライセンス契約を結んだと発表した。

 セレスは固体酸化物のセルスタック(電池の積層構造体)技術で市場を先導しており、デンソーは同社の技術を活用して高品質なセルスタックの量産化を目指す。

 セルスタックはSOECの重要な部品であり、水蒸気を水素と酸素に分離する役割を担う。セレスは金属とセラミックを接合した独自の技術によって高出力を実現している。デンソーは車載で培ったセラミック技術とセレスの技術を組み合わせ、熱管理技術や制御技術を加えたSOECの早期実用化を目指す。

 SOECは、セラミック膜を電解質として高温で動作し、水蒸気を電気分解して水素を製造する装置。アルカリ水電解やPEM型水電解と比べて、電解に要する電気エネルギーが少なくて済むのが特徴だ。

 水素エネルギーはカーボンニュートラル(二酸化炭素排出量が実質ゼロ)を実現するための次世代エネルギーとして注目されている。技術開発には場所や規模、用途に応じた多様な対応が求められる。デンソーは国内外のパートナーと連携し、多様な水素利活用技術の開発を推進することでカーボンニュートラルな社会づくりに貢献する方針。