Thursday, August 29, 2024 7:29 AM

トゥーシンプル、株主集団訴訟で1億8900万ドルの和解成立

 自動運転トラック開発のトゥーシンプル(TuSimple、カリフォルニア州)はこのほど、安全記録について投資家を欺き、関係者3人が競合する中国のトラック運送事業に関与していることを隠していたとして株主から訴えられた集団訴訟で、1億8900万ドルの和解金支払いに合意した。

 ロイターによると、正式な和解には裁判所の承認が必要で、この予備的和解案は今週、同社が拠点を置くサンディエゴの連邦裁判所に提出された。すべての被告(同社およびその創業者、幹部、銀行引受人など)は和解の同意に際し、いかなる不正行為も否定している。

 和解金は、トゥーシンプルが1億7400万ドル、残りの1500万ドルを同社の保険会社が支払い、エスクロー(取引保全)口座に預けられている。

 トゥーシンプルは、2021年4月に新規株式公開(IPO)を通じて13億5000万ドルを調達したが、24年1月にナスダックへの上場を廃止した。

 原告の株主らは、同社が「IPO前にその技術の安全性について虚偽の説明を行い、米国で技術を改良した後、それを中国の同業である海昌(Hydron、ハイドロン)に譲渡する意図があった」と主張。22年8月に「4カ月前にアリゾナ州の高速道路で起きた事故は、トゥーシンプルが性急な自動運転トラック開発で公共の安全を危険にさらしているというアナリストや従業員の懸念を裏付けた」と報道されたことで真実が明るみに出たと述べている。