Thursday, August 29, 2024 7:29 AM
コムシグニアとボッシュ、交通弱者の視認性向上で協力
車車間・路車間通信(V2X)技術を手がけるハンガリーの新興企業コムシグニア(Commsignia)と独自動車部品大手ボッシュは、両社の専門技術を組み合わせて、交通弱者の安全向上のための新しいソリューションを提供する。
都市部では、道路利用者の多様化で、ドライバー、歩行者、電動バイク、電動スクーターにとって予期せぬ危険な状況が増え、交通弱者の保護が優先課題となっており、交通弱者の視認性を高めてドライバーに存在を認識しやすくすることが重要になっている。
コムシグニアのプレスリリースによると、今回の協業では、人工知能(AI)による映像解析機能を内蔵したボッシュのカメラとコムシグニアのV2X通信ハードウェアおよびデータ管理ソフトウェアを統合して交通のデジタルツインを構築し、高度道路交通システム(ITS)に最先端の機能を追加する。
デジタルツインは、サイバー空間に現実の状況を人工再現する技術。電池と電池の生産工程に関するデータや情報を同時進行で利用するため、本体に手を加えることなく製品の挙動やプロセスのパフォーマンスを再現、分析、最適化できる。
ボッシュの高性能カメラは、交通弱者を検知・分類するビデオセンサーとして機能し、この情報をコムシグニアのV2X路側ユニットに提供する。二つの装置を組み合わせることで、交通弱者の存在をコネクテッドカー(通信接続車)に広く伝え、事故の発生を未然に防ぐための警告を表示できるようにする。歩行者や自転車が何かの陰になって車から見えない場合も、コネクテッドカーの車載ユニットはリアルタイムで警告を表示する。
ボッシュのITS用カメラは、監視用のライブ映像のストリーミング、リアルタイムの警告発信、分析用道路データの取得をすべて行う。この高度な通信装置は、コムシグニアのV2X路側ユニットといった対応機器と組み合わせると、ハイウェイ、主要道、交差点のリアルタイムな安全対策の重要な構成要素になる。
ボッシュのカメラによる物体認識とコムシグニアのC-V2Xソリューションによる警告という強力な組み合わせは、交通弱者が恩恵を受けるだけでなく、救急隊員、コネクテッドバス、公共サービス車両(除雪車など)、増え始めたC-V2X搭載乗用車や自動運転車(AV)の安全性を向上させ、ドライバーはより確信を持って判断し、危険な操作を回避できるようになる。