Monday, September 16, 2024 7:20 AM

ボルボ、将来の全EVで基盤技術を一本化

 ボルボ・カーズは、スウェーデンのヨーテボリで5日に開催された投資家向けイベント「キャピタル・マーケット・デイ」で、革新的な技術手法による新戦略を発表。今後は「ボルボ・カーズ・スーパーセット」と呼ぶ統一されたコア・コンピューティング技術スタックを使って、時間とともに性能が改善される車づくりに焦点を当てる方針を発表した。

 ボルボはこの前日、2030年までにEV専業メーカーになるとの目標を撤回すると発表したばかりだが、この日の発表からは、EVシフトを鈍化させるのではなく、むしろソフトウェア定義型車両(SDV)の導入加速化を目指す姿勢がうかがえる。

 エレクトリック&ハイブリッド・ビークル・テクノロジーによると、26年に生産を開始する電動SUVの旗艦モデル「EX90」をはじめとするボルボの将来のEVは、すべてのモジュールと機能がこの統一された技術とソフトウェアからなる「ボルボ・カーズ・スーパーセット」を基に構築される。ボルボはこの手法によって、コア技術の継続的な改善を確保しつつ、異なるモデル間でさまざまな機能構成が可能になる。

 ボルボは、データ、コネクティビティー(通信接続性)、ソフトウェア、コア・コンピューティングに基づく循環型の開発プロセスを導入しており、このコア・コンピューティングへの移行は、電動化への移行と同様に重要で、車の電気システムのあらゆる側面に影響を与えると考えられている。

 ボルボは、独自の車載OSである「スーパーセット」を基盤とするSDVのプラットフォーム「SPA3」も発表しており、近く発売予定の完全電動中型SUV「EX60」がこのプラットフォームで製造される最初の車両になる。「SPA3」は従来の「SPA2(Scalable Product Architecture 2)」をベースにしているが、コア・コンピューティング機能や拡張性が強化されている。

 「SPA3」のモジュール性とアップグレード可能性により、投資コストの削減と売り上げに対する変動幅の縮小が期待され、結果として同社の将来のキャッシュフロー強化につながる可能性がある。