Monday, December 02, 2024 6:20 AM

EV充電の新興各社、異なる手法で都市部に進出

 ニューヨーク市は現在、都市向け電気自動車(EV)充電システムの新興企業3社が、それぞれ違った手法で市場の拡大を目指している。

◇既存の建物から電力を調達

 ウォールストリート・ジャーナルによると、ブルックリン区拠点のイッツ・エレクトリック(It’s Electric)が提供するカーブサイド(路肩設置型)EV充電器は、近隣の建物の既存の電源を利用する。自宅から延長コードを伸ばす方法をおしゃれにした感じで、レベル2の充電器を使い、一般的なEVなら1時間で走行距離約25マイル分の電力を供給する。

 1時間以内に容量いっぱいまで充電できる急速充電器に比べるとレベル2はかなり遅いが、一晩中駐車できる場所、仕事中や用事を済ます間に充電できる場所などに設置すれば使いやすい設備になる。電力会社に何らかの作業を依頼する必要はなく、充電器を設置した企業や住宅所有者には、同社が充電サービスで得た利益が分配される。

 課題は、歩道に幅8インチの溝を掘る必要があるのと、ボラード(車止め支柱)型の充電器の設置には自治体の許可が必要になる点。それでもイッツ・エレクトリックは、すでにマサチューセッツ州ボストンとカリフォルニア州アラミダで設置契約を獲得しており、年末までにはボストンとデトロイトで設置が完了するほか、バージニア州アレクサンドリア、ロサンゼルス、ニュージャージー州ジャージーシティでも設置許可を申請中だ。

 同社は、住民や企業から要請された場合だけ充電器を設置しており、最近アラミダ市がフェイスブック投稿で希望者を募ったところ、翌日にはイッツ・エレクトリックに100件を超える要望があった。