Thursday, June 26, 2025 7:07 AM

自動運転向け認識システムを発表〜ヘルムAI、ホンダの次世代EVに搭載へ

 先進運転支援システム(ADAS)、自動運転、およびロボット向けの人工知能(AI)ソフトウェアを開発するヘルムAI(Helm.ai、カリフォルニア州)は、レベル2+(プラス)およびレベル3の自動運転技術向けに都市環境を認識できる新システム「Helm.ai Vision」を発表した。2026年からホンダの次世代電気自動車(EV)「0シリーズ」に採用される予定。

 ホンダは22年から同社に出資している。ロイターによると、「Helm.ai Vision」は強化された全方位認識機能を提供して、レベル2+までのシステムでは高精細(HD)デジタル地図やライダー(光検知・測距装置)の必要性を軽減し、レベル3までの自動運転を可能にするが、通常レベル4で動作するいわゆるロボタクシー(自動運転タクシー)には適していない。量産化の準備はすでに整っており、ホンダの「0シリーズ」のような個人所有車両への統合が可能だという。

 新システムは、独自技術「Deep Teaching」を採用しており、人の監視を伴わない機械学習によって大量の実走行データから広範な学習が可能で、コストがかかる手動でラベリングされたデータへの依存を軽減する。

 交通量の多い道路、多様な路面状況、歩行者や他車両の予測不能な行動など、都市部の複雑な局面にも対応できるように設計されており、リアルタイムの物体検出、完全なセマンティック・セグメンテーション(画像内の各ピクセルにラベルを割り当て、画像全体を意味のある領域に分割する画像認識技術)、複数カメラによる周囲360度の画像融合を提供して、車のシステムが周囲の状況を正確に解釈できるようにしている。さらに、複数のカメラ入力を上空視点で統合して鳥瞰(ちょうかん)図を生成することもできる。