Monday, December 09, 2024 6:11 AM

ENRXとインダクトEVが提携〜非接触充電の標準化で

 EVの非接触充電やエネルギー伝送技術の世界的リーダーであるインダクトEV(InductEV、ペンシルベニア州)とENRX(ノルウェイ)は、急成長する同技術の標準化に向け協力する。

 EVRXのプレスリリースによると、非接触充電技術は、EV最大手のテスラが低電力の非接触充電システムで運用するロボタクシー(自動運転タクシー)を発表したことで開発に弾みがついている。

 フィラデルフィアに本社を置くインダクトEVは、商用フリート向けのEVに重点を置いている。ENRXは、暖房システムにおける電力の非接触伝送で75年の経験を持ち、最近はEVに力を入れている。

 両社は、ロボタクシーシステムより数倍高い出力レベルの規格に焦点を当てており、今回の協業によって技術革新を促進し、ユーザーの選択肢を広げるオープンな技術体系の構築に貢献したいと考えている。さらに、輸送分野における非接触充電技術の普及を加速させ、使いやすさ、互換性、信頼性の向上によって広く利益をもたらすことを目指している。

 インダクトEVの高出力非接触充電システムは、車の製造段階で車体下部に組み込む受電パッドに地表埋設型の送電パッドが反応して瞬時に作動する仕組み。現在のシステムは、75キロワット(kW)から最大450kWのワイヤレス出力を提供できる。同社の技術は、操車場での有線による夜間充電に依存していた時間とエネルギーを大量に消費する方式を、時間帯を分散させた短時間の充電セッションに変え、再生可能エネルギーを最大限に活用することで、電動化で生じる電力会社と車両運行会社の摩擦を軽減する。

 一方のENRXは、充電分野では車両、船舶を含むさまざまな乗り物向けの非接触充電技術を欧州の複数の主要都市に提供している。特にドイツのブラウンシュヴァイクでは、200kWのワイヤレス充電システムを備えた全長12キロメートル(km)のバス路線が10年以上にわたって運行している。また、フロリダ州オーランドでは世界初の200kW電化道路を開拓しており、現在は全長8kmのレイク/オレンジ高速道路の1.2km区間に試験用システムを建設中。走行中の長距離トラックや乗用車に給電できる高出力の非接触充電技術を提供する予定だ。