Thursday, February 06, 2025 6:39 AM

買い控えのトレンド拡大〜SNSを中心に

 インスタグラムやTikTok(ティックトック)などのソーシャルメディアは通常、購入した物を見せようとする人々であふれているが、2025年は何も買わない暮らしを発信する人が増えている。

◇2割が「no buy」に挑戦

 ウォールストリート・ジャーナルによると、今年の「ノーバイ(no buy=買わない)」トレンドは、人々にできるだけ新しい物を買わないことを推奨しており、人によっては特定の買わない物リストを作ったり、不要な物は買わないと宣言したりしている。

 ソーシャルメディアでトレンドになった背景には、2年にわたる物価高や個人負債の増加といった理由がある。また、24年は年末商戦期が短く慌ただしかったため、低所得層の多くが積極的に支出を切り詰めたという状況もある。この結果、最新の素晴らしい流行り物を買うのではなく、すでに持っている物に目を向ける人が増えている。

 1万ドルのクレジットカード負債やゆとりのない生活からの脱却を望んでいたインディアナ州の看護師女性(28)は、クリスマス時期にノーバイ関連動画と出会い、ヘアトリートメントやマニキュア、新しいウォーターボトルなど不要な購入をやめた。買わないことによる支出削減と中古品売買アプリで服を売るといった努力により、わずか1カ月で2000ドルの負債を返済したという。

 ノーバイのような考え方はTikTokで以前から広がっており、24年は米消費者の20%が買わない運動を試みている(フィンテック企業チャイム調べ)。グーグルでは「no buy challenge」の検索が前年比で40%増、「no spend challenge」は過去最高を記録した。