Friday, February 21, 2025 6:32 AM

欧米製造業「ABC戦略」に移行〜生産の脱中国化進む

 近年、多くの多国籍企業は中国の部品業者(サプライヤー)に過度に依存するようになり、他国のサプライヤーでこれを補強する「China Plus 1(中国とそれ以外)」戦略をとっていたが、米中間の緊張が再び高まってきた今、ハイテク企業を中心に生産拠点を中国から移してほかの国でサプライヤーを探す「Anything But China=ABC(中国以外ならどこでも)」戦略を加速させている。

◇恒久的な動き

 ウォールストリート・ジャーナルによると、このトレンドはアジアや中南米の国々にバリューチェーン強化の機会をもたらしており、多くの中国サプライヤーも、欧米の顧客の要請を受けて外国に工場を設立しているため、中国企業の海外進出を促進している。

 S&Pの最新報告書によると、最近は、製品の組み立てだけを中国国外に移した最初の多角化の波とは違い、センサー、プリント基板、パワーエレクトロニクスといった部品の製造工場移転が進んでいる。これには機械や部品への多額の先行投資が伴うため、サプライチェーンの中国からの移転はより恒久的な動きとなっている。