Monday, March 10, 2025 6:56 AM

フォード、電動バンに最新のヒートポンプ技術導入

 フォードは、蒸気噴射技術でヒートポンプの性能を向上させた「ベイパー・インジェクテッド・ヒートポンプ(VIHP)」技術(特許取得済み)を発表した。

 エレクトライブによると、この技術は電動バンのE-Transit Custom、E-Tourneo Custom、E-Transitに標準搭載される。ヒートポンプは、極低温の冷媒ガスを用いて環境から熱を吸収し、それを圧縮することで温度を上げる仕組みで、少量の電力で大量の熱エネルギーを生み出せる。フォードは「無料の熱エネルギー」とまで言い切り、外気温がマイナス10℃でも、外気から熱エネルギーを取り出して車内を暖めることができる。

 VIHPは、蒸気噴射技術を活用することで、大型バンの車内空間の冷暖房効率をさらに向上させている。外気温が25℃を超えた時、ポンプの統合冷却システムが車内の熱を排出することで、エアコンの消費電力を抑えられるという。

 対象モデルは、100回以上の風洞試験と2万5000キロメートルを超える実走行試験を通過しており、テスト環境にはスペインの猛暑やフィンランドの冬(最低気温マイナス34℃)なども含まれている。この結果、VIHPを搭載した大容量電池のE-Transitは、ヒートポンプ非搭載時と比べて航続距離が7〜10%向上することが確認された。