Wednesday, June 11, 2025 7:22 AM

正極材の生産能力、87%が中国〜ベンチマーク調査

 電池の正極活物質(CAM)の世界生産能力は、2024〜30年に178%増加するとの予想を英シンクタンクのベンチマーク・ミネラル・インテリジェンスが発表した。

 グリーンカー・コングレスによると、ベンチマークの分析では、この生産能力の大部分は中国に集中しており、24年には推定87%を占め、30年にはやや減少して84%になると予想される。

 中国では低コストの電気自動車(EV)需要が高まっているため、リン酸鉄リチウム(LFP)が正極材の主流となっており、30年までに中国のCAM生産能力の75%はLFPが占める見込み。一方、中国以外ではニッケル・コバルト・マンガン(NCM)系正極が主流で、30年までにCAM生産能力の60%を占める見込み。NCM系はLFPよりもコストが高いが、より航続距離の長いEVに適している。

 北米と欧州は、現時点ではCAMの生産能力は低いが、24年から30年までそれぞれ年平均101%、57%の勢いで伸びると見込まれる。中国以外で現在最もCAM生産能力が高い韓国は、年平均6%の成長が続く見込み。韓国と日本勢は、国内よりも北米、欧州といった海外の生産能力拡大に力を入れている。