Wednesday, June 25, 2025 7:15 AM

自動車部品各社、米投資に迷い〜関税の不確実性で

 自動車部品各社は米国に投資したいと考えているが、関税政策の不透明さから決断できずにいると、米国自動車部品工業会(MEMA)が警鐘を鳴らしている。

 オートモーティブ・ニュースによると、サプライヤーは、コスト上昇、長期的な政策の不透明さ、新車生産台数や米国経済の先行きに対する悲観を背景に投資を先延ばしにしている。熟練労働者の不足、EV計画の縮小に伴う投資の中断なども状況を悪くしている。一連の問題がサプライヤーの利益率を圧迫しており、MEMAの担当幹部は「誰もこのコストに耐えられない」と述べた。

◇関税は競争力を下げる

 MEMAの調査によると、サプライヤーはトランプ関税が実施されて以来、財務見通しに悲観的になっており、75%は関税によって北米での競争力が低下すると見ている。また、70%は関税によって国際的な競争力が「下がる」と答え、「上がる」と答えたのはわずか4%だった。

 部品各社は下請け業者の財務状況も心配しており、85%の企業が「関税のために下請けサプライヤーの苦境を懸念している」と回答した。財務状況の悪化でサプライヤーの「監視リスト」に載った下請けサプライヤーの割合は、5月2日現在では5.6%と24年の3.2%から上昇しており、6%に達した21〜22年の半導体不足当時の水準に近づいている。

 MEMAは「ひとたび(財務上の苦境が)始まると、食い止めるのは非常に困難」と述べた。