Friday, July 18, 2025 7:22 AM
ブレンボ、ブレーキダストを大幅削減
イタリアのブレーキ大手ブレンボは、ブレーキダスト軽減につながる新技術「Greentell」を開発した。
欧州連合(EU)は大気汚染物質としてブレーキから出る粒子状物質に注目しており、26年に発効予定の新環境規制「Euro7」で排出量に上限が設けられることになっている。
自動車情報モーターワンによると、ブレンボの新技術は、レーザーメタルデポジション(LMD)という手法を用いてブレーキディスクの表面に独自の合金をコーティングすることにより、従来の鋳鉄製ディスクと比べて粒子状物質の排出を約90%削減する。
LMD処理は、機械加工の後、最終仕上げの前に行われ、工程時間はわずかしか増えない。また、コーティングによりディスク表面の摩耗も80%低減する。ただ、ディスク自体が従来の鋳鉄製より薄いため、ディスク寿命の延長は20〜30%にとどまる。
ブレンボは、新コーティングに対応するブレーキパッド用の材料も開発している。また、ディスクの摩耗インジケーターとして表面にロゴを刻印(ロゴが消えたら交換時期)しているが、自動車メーカーのロゴに置き換えることもできる。
ブレーキは「Euro7」への対応を念頭に設計されているため、主な市場は欧州となるが、米国展開の可能性もある。アフターマーケット向けには、同様の効果を狙った「Greenance」も用意している。