Tuesday, September 02, 2025 7:16 AM

商用EV市場は堅調に成長〜前年比で274%の急増

 消費者向け電気自動車(EV)の販売が伸び悩む一方で、商用EVは堅調に成長を続けていることがS&Pグローバル・モビリティーのデータで判明した。

◇コスト削減効果が魅力

 オートモーティブ・ニュースによると、配送用バン、多目的トラック、大型トラックを含む商用EV(クラス3〜8)の登録台数は、2024年5月31日までの12カ月間で2万4871台に達し、前年同期比274%の増加を記録した。主に業務用に使われるクラス2(小型ピックアップトラックなど)のEVの登録台数は69%増の41万7246台となった。これに対し、個人向けの軽量EVは2%減の69万4678台だった。

 商用EVの成長を後押ししているのは、ミネソタ州に本社を置くエコラブ(Ecolab)のような企業だ。感染症予防、飲料水、衛生用品を販売する同社は、現在1万1000台の車両を保有し、うち1000台がEVで、2030年までに北米の全車両の電動化を目指している。

 低公害車の普及を目的とするカリフォルニア州の非営利団体Calstart(カルスタート)によると、電動化を進める企業の多くは、EVのコスト優位性を評価しているという。現在2万5000台を超えるEV(全てリビアン製の配送用バン)を保有するアマゾンでも、ルートの最適化などでEVがコスト削減に貢献している。

 各車両が決まったルートを運行し、夜間は操車場に戻って充電するようなフリート(車両群)を持つ企業ほど、EVを業務に統合しやすい。EVは内燃エンジン車よりメンテナンスの頻度が少なく、燃料代(電気料金)もガソリンより安いことが多く、電力会社と固定価格契約を結んでいる場合はガソリンよりもコストが安定しやすい。