Thursday, April 16, 2026 7:17 AM

アセンドが経営破綻〜電池リサイクルのスタートアップ

 リチウムイオン電池のリサイクルを手掛けるアセンド・エレメンツ(Ascend Elements、マサチューセッツ州)はこのほど、連邦破産法第11条に基づく経営再建手続きの適用を申請して経営破綻した。EV市場の減速、資金繰りの悪化、政府補助金の取り消しが要因となった。

 テッククランチによると、同社はこれまで約9億ドルの出資を受けており、投資家にとっては大きな打撃だ。リン・オースティンCEOは、LinkedInへの投稿で「克服不可能な財務上の課題に直面していた」と説明した。

 EV市場の低迷と、ケンタッキー州で建設中の施設向けに予定されていた3億1600万ドルの連邦補助金をトランプ政権が取り消しことが影響した。2億400万ドルはすでに受け取っていたが、アセンドには不足分を補う追加の資金調達が必要だった。

 アセンドは、スクラップや使用済み電池から重要鉱物を抽出する技術を開発しており、同社の手法によって廃棄物を新しい正極材料の前駆体へと変換する工程数を減らすことができる。ケンタッキー州では延べ床面積100万平方フィートの施設を建設していたが、地元報道によれば、訴訟や遅延といった問題を抱えていた。

 電池材料の最大市場はEV用電池だが、自動車メーカーはリードタイムが長く、仕様も時間とともに変化する。このため安定的で手厚い政府支援を受ける中国メーカーが市場を支配して、コスト低下を主導してきた。

 レッドウッド・マテリアルズ(ネバダ州)などの同業は、使用済み電池パックの一部再利用へと戦略転換しており、さまざまな種類のパックを統合して、データセンターに電力を供給できる大規模蓄電池に組み込む技術を開発した。定置型蓄電市場は近年急拡大しており、レッドウッドはリサイクル事業の構築を続けながら短期的な収益の確保を目指している。