Tuesday, June 09, 2026 7:05 AM
プロロジウム、SPACとの合併でナスダック上場へ
全固体電池を開発する台湾の台湾の輝能科技(プロロジウム・テクノロジー)は、特別買収目的会社(SPAC)トランスレーショナル・デベロップメント・アクイジション(TDAC)との合併を通じてナスダックに上場する。ブルームバーグが報じた。
企業価値は約38億ドルと評価されている。資金はTDACの信託口座内の現金および普通株式によるPIPE(私募増資)の調達資金から充当され、プロロジウムの生産能力拡大と、フランスのダンケルクで進めている工場建設の資金となる。ダンケルク工場はフランス政府から最大16億ユーロの補助金を受けており、この2月に着工した。
2006年設立のプロロジウムは「エネルギー貯蔵の究極形」とも呼ばれる全固体電池の開発で最前線に立つ企業の一つ。全固体電池は、従来型リチウムイオン電池より高い出力と急速充電を実現でき、可燃性電解質の使用を大幅に減らすあるいはなくすことで安全性も高まると見込まれているが、高コストや量産化に伴う技術的課題があり、普及拡大は容易ではない。
現在計画されている世界の全固体電池生産能力のうち、稼働しているのは10%未満で、その約99%を中国が占めている。プロロジウムの台湾拠点では、年間最大1GWh相当の電池生産が可能で、市場動向次第では30年代前半から半ばにかけて生産力を最大3倍まで増やす計画。また、フランス工場の完成で30年までに4GWhの生産能力が追加される可能性がある。
同社の全固体電池は大半がドローン、防衛関連、人工衛星企業向けに販売されているが、生産拡大とコスト低下に伴い状況は変化すると見込まれ、32年までには約60%がEV向けになる可能性が高い(ヤンCEO)。プロロジウムにはメルセデス・ベンツも出資している。