Tuesday, July 14, 2026 7:30 AM
コーネル大、電池再生で新手法〜電極だけを復活
コーネル大学の研究チームは、リチウムイオン電池を破砕して資源をリサイクルするのではなく、電極だけを復活させて再利用する新しい手法を発表した。実験室での試験では、劣化した容量を新品状態の95%まで回復できたという。
エレクトライブによると、使用済みリチウムイオン電池のリサイクルは、機械で破砕してリチウム、コバルト、ニッケルが混じったくず状態(ブラックマス)にし、化学処理または熱処理によって原材料を分別回収して再び電極材料に加工する手法が一般的だ。これに対し、コーネル大のチームが6月上旬に学術誌「Energy and Environmental Science」に発表した「DEER(Direct Electrode-to-Electrode Regeneration)」と呼ばれる手法は、バッテリーを破砕せず丁寧に開いて電極を取り出し、それを電気化学溶液で処理して固体電解質界面(SEI)と呼ばれる層を除去するのが特徴。SEIは電池を使用する間に形成され、内部の電気抵抗を高める原因になる。
容量が新品と比べて70〜80%まで劣化した電池を用いた試験では、この処理によって容量が最大95%まで回復し、技術経済性分析では、従来のリサイクル方法と比べて処理コストを56%削減できる可能性が示された。水の使用量や大気汚染物質の排出量も低減できる。
ただし技術はまだ開発の初期段階で、チームは今後、産業用バッテリーを使った実証試験を行うほか、活性リチウムの減少などSEI形成以外の劣化要因にもDEER手法が適用できるかを検証する。