Wednesday, December 21, 2016 10:30 AM
マイクログリッドの重要性への注目が強まる〜災害対応力の強化が大きな要因に
マイクログリッドは、未来のエネルギー供給体制において重要な役割を果たすとみなされている。
マイクログリッドは決して新しい概念ではなく、病院や大学、行政機関、軍基地といった特殊な施設では、停電しても電力を確保できる予備電源と熱電併給(CHP=Combined Heat and Power)システムが何年も前から活用されてきた。
しかし、リニューワブル・エネルギー・ワールド誌によると、再生可能エネルギー、特に太陽光発電の普及を受けて信頼性の高い電力供給に対する受容が拡大した結果、この2〜3年のあいだにマイクログリッドに対する注目が高まった。
マイクログリッドとは、送電網から独立して運用できる分散型エネルギー源だ。停電時の給電だけでなく、送電網の需給均衡が崩れる時間帯に需要や供給を補完して公益会社に利点をもたらすこともできる。
特にCHPは、マイクログリッド技術のなかで定格出力のもっとも多い技術だ。マイクログリッドは全米で4400ヵ所以上に設置されており、総出力量は82ギガワットに達する。また、米国に設置された1100メガワットのマイクログリッドの約半分の出力量をCHPが賄っている。
マイクログリッドがもたらす経済的利点は、その普及を後押しする重要な要因となっている。しかし、インテリジェント・パワー&エネルギー・リサーチ(Intelligent Power & Energy Research)のジョン・キャロル事業開発担当副社長は、「reliability(信頼性)、resiliency(災害対応力)、redundancy(冗長性)の3R」が重要だと話す。
2001年の米中枢同時多発テロ以降、米国の電力供給体制の安全確保に関して多くのことが変化した。「カトリーナ」や「サンディ」のように甚大な被害をもたらした大型ハリケーンも、災害対応力の重要性を浮き彫りにした。災害に強い体制を構築したいという意向が、現在のマイクログリッドの動向を率いる大きな力になっている、とキャロル氏はみている。
【http://www.renewableenergyworld.com/articles/2016/12/microgrids-in-the-new-energy-world.html】