Friday, December 23, 2016 9:56 AM

核戦力の近代化推進 プーチン大統領、NATOに対抗

 ロシアのプーチン大統領は23日、年末恒例の大規模記者会見で、ロシア軍の核戦力は「いかなる侵略者よりも強い」と述べ、軍装備の近代化を進めていく考えを示した。東方拡大を続けロシア国境に迫っている北大西洋条約機構(NATO)を念頭に、同機構を主導する米国をけん制した発言とみられる。

 厳しい経済情勢のため国防予算も削減すると説明する一方で、戦略爆撃機や潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)など陸海空の「核の3本柱」を近代化する考えを改めて強調。米国が配備を進めるミサイル防衛(MD)よりも国防上「はるかに効果的だ」と述べた。

 トランプ次期大統領が米国の核戦力強化の必要性に触れたことについては、米大統領選の期間中も同様の発言をしており「目新しさはない」と指摘。米軍が最大最強であることは「事実であり、争う気はない」と認めた。米露の新戦略兵器削減条約(新START)は順守すると述べ、ロシアの側から軍拡競争に加わることはないとも強調した。(共同)