Wednesday, January 04, 2017 12:12 PM

懲役刑、抜本見直しへ 作業脱却、個別指導を重視

 家具作りなどの刑務作業が中心となっている受刑者の処遇を見直すため、法務省が刑法の懲役規定の改正を検討していることが4日までに、政府関係者への取材で分かった。個人の特性に応じた生活指導や就労支援に時間を割きやすくすることで更生を促すのが狙い。有効な再犯防止策になるとみられ、実現すれば明治以降100年以上続く刑罰の概念が大きく変わることになる。

 現行刑法は、懲役刑を「所定の作業を行わせる」と規定。受刑者に木工や洋裁などの刑務作業を義務付け、希望者以外は作業をしなくてもいい禁錮刑と区別している。

 一方、受刑者の処遇について定めた刑事収容施設法は、刑務作業のほか、社会生活に必要な知識や心構えを教えたり、薬物依存からの脱却を指導したりする「改善指導」や、小中学校レベルの基礎学力を習得させる「教科指導」を実施すると明記している。(共同)