Wednesday, January 25, 2017 4:44 PM

動物で臓器作製、治療効果 世界初、別種マウスに移植

 体のあらゆる細胞になるマウスの人工多能性幹細胞(iPS細胞)や胚性幹細胞(ES細胞)を、種の異なるラットに入れ、ラットの体内でマウスの膵臓を作ったと東京大などのチームが25日付の英科学誌ネイチャー電子版に発表した。膵臓を糖尿病のマウスに移植すると、正常に働き症状が改善した。別の種類の動物で臓器を作り、移植の治療効果を確かめたのは世界初。

 将来の再生医療の一つとされる動物での人の臓器作りに向けた第一歩。ただ人の場合は、技術的な問題のほかに倫理的な課題も多く、実現にはまだ遠い。

 東京大の山口智之特任准教授は「別の動物で作った臓器を利用した移植医療の有効性と安全性を示せた」と話した。今後サルのiPS細胞を使い、ブタでサルの臓器を作る研究を進める方針。(共同)