Friday, February 10, 2017 10:48 AM

東電幹部「溶融燃料で穴」 原子炉直下の足場の陥没

 東京電力の姉川尚史原子力・立地本部長は10日の記者会見で、福島第1原発2号機の内部調査により、原子炉圧力容器真下の鉄製の作業用足場で見つかった縦横1メートルの穴について「状況からすると、上部から核燃料が落下して高温で変形した可能性が高い。そう予想するのが最も自然だ」と述べ、溶け落ちた核燃料(デブリ)の影響との見方を示した。

 姉川氏は、こうした見方は技術者としての私見だとして「東電の公式見解とするには追加のデータが必要」と指摘。デブリの影響と断定するには2号機内部で見つかった堆積物のサンプルを採取して分析するなど追加調査が必要だとした。

 格納容器内で最大毎時650シーベルトの空間放射線量が推定された原因については「事故時の高温下で、放射性セシウムなど蒸発温度の低い放射性物質が拡散し、格納容器内に付着して線源になっていると思う」と説明。サソリ型の自走式調査ロボットの投入は「2月中に実施してデータを取れるよう準備している」とした。(共同)