Friday, February 10, 2017 6:24 PM

「もう一つの事実」に懸念 選挙イヤーの欧州

 欧州連合(EU)欧州委員会のドムブロフスキス副委員長は10日、ロンドンでの講演で「事実に基づく政策がオルタナティブ・ファクト(もう一つの事実)に攻撃される時、われわれは欧州の価値観を守る準備をすべきだ」と述べ、事実の歪曲も辞さないポピュリスト(大衆迎合主義者)らの姿勢を批判した。欧州メディアが伝えた。

 「オルタナティブ・ファクト」はコンウェー米大統領顧問が虚偽の主張を正当化するために使った。移民やイスラム教徒、EUなどが市民生活を脅かしているなどとする事実に基づかない言説は欧州でも拡大。オランダ、フランス、ドイツで今年続く国政選挙への影響が懸念されている。

 欧州委のティメルマンス第1副委員長も9日の講演で「被害妄想的な政治」が戻ってきたと指摘。「インターネット上のオルタナティブ・ファクトにあおられ、外国人嫌い、不寛容、ナショナリズムが大手を振って歩いている」と訴えた。(共同)