Monday, July 11, 2016 10:43 AM

ソネン、自家消費狙いの蓄電装置を投入〜固定価格買取制度縮小で需要拡大

 ドイツの蓄電装置大手ソネン(Sonnen)は、電力の自家使用を最大化するために設計された新製品を発表した。

 グリーンテック・メディアによると、ソネンバッテリー・エコ・コンパクト(sonnenBatterie eco compact)と呼ばれる新製品は、同社の既存の家庭用蓄電システムに比べて価格が40%も安いことで関心を集めている。

 太陽光発電の余剰電力を送電網に送り返して売電できる固定価格買取制度が各地で廃止または縮小されつつあることから、蓄電装置を使って自家使用したいと考える利用者は増えている。

 「(エコ・コンパクトは)新たに形成されつつある自家消費市場を真の狙いとしている」「アリゾナやネバダ、ハワイで固定価格買取制度が廃止されている昨今の動向を受けて、そういった市場が拡大しつつある」と、ソネンのボリス・ヴォン・ボルマン最高経営責任者(CEO)は述べた。

 新製品には、ソネンが開発した自動学習ソフトウェアが搭載されており、時間帯によって変動する送電網の電力料金や利用者の電力使用状況を考慮したうえで使い方を管理できる。

 既存製品のソネンバッテリー・エコ・プロテクト(sonnenBatterie eco protect )には、送電網に接続しなくても単独で使える予備電源機能があるが、新製品のエコ・コンパクトにはその機能がない。それによって価格を大幅に下げることができた。

 4キロワット時のエコ・コンパクトは小売価格が5950ドルで、設置料が別途500〜3000ドルかかる。モジュール設計のため、4キロワット時単位で拡張でき、最大容量は1ユニットで16キロワット時だ。エコ・プロテクトの小売価格は1万ドル。

 停電や自然災害に対する備えとしての予備電源機能は今後も需要がつねにあると予想される一方で、自家発電した電力の自家消費に対する要望は今後高まる、とソネンは考えている。

 ハワイやアリゾナ、ネバダのほか、カリフォルニア州でも新たな料金体系が導入されようとしている。サンディエゴ・ガス&エレクトリックは最近、固定価格買取制度の上限に達した同州初の公益会社となり、同制度を今後も利用する顧客に対して変動料金体系への移行を義務付け始めた。

 そういった変化を背景に、「(自家使用の)価値提案は今後、非常に魅力的になるだろう」とヴォン・ボルマン氏は述べた。

http://www.greentechmedia.com/articles/read/Sonnen-Launches-a-Home-Battery-for-Self-Consumption-at-a-40-Reduced