Tuesday, February 21, 2017 10:46 AM

違法天下り、新たに17件 文科省16人関与、懲戒検討

 文部科学省の天下りあっせん問題を巡り、松野博一文科相は21日、全容解明調査の中間報告を公表、新たに違法な天下りあっせん関連事案17件を確認したことを明らかにした。早稲田大への元局長の再就職などと合わせ違法事案は27件となる。松野氏は関与した人事課職員ら16人の追加処分を検討する。調査対象は内閣府の再就職等監視委員会から指示された37件。あっせんの調整役だった人事課OB嶋貫和男氏(67)については、うち23件への関与を認定した。

 同省人事課が2010年7月ごろまでに、嶋貫氏を中心とするあっせん体制を引き継ぐためのメモを作成していたことも確認。人事課があっせんを事実上の業務として位置付けていたことになり、職務専念義務違反に当たると結論付けた。人事課が隠蔽工作を図っていたことも明らかになった。

 人事課は監視委の調査から隠すため、調整役は「嶋貫氏ではない誰かとする」との想定問答を作っていた。松野氏は「省として、再就職規制違反に組織的に関与したことが裏付けられた」と述べた。最終報告は3月末に公表する。(共同)