Tuesday, February 28, 2017 12:24 PM

震災で歯が減るリスク増 高齢者、口の衛生悪化

 東日本大震災で被災した高齢者の調査で、経済状況が悪化したり家屋が被害を受けたりした人は、歯の本数が減る危険性の高いことが分かったと東北大などのチームが28日、明らかにした。

 チームによると、災害の前後で歯の本数を調べた研究は世界的にも例がないという。避難所で水や物資が不足し口の衛生状態が悪化したほか、避難生活のストレスなどが背景にあるとみている。

 高齢者の歯の減少は、心身の健康状態に悪影響を与えるとされる。東北大の松山祐輔歯科医師は「被災者は歯を失う可能性が高いことがはっきり分かった。避難所でも歯磨きができる環境の整備のほか、家屋の早期再建や、医療費の免除といった継続的な支援が必要だ」と話している。(共同)