Tuesday, March 07, 2017 4:46 PM
沈下の太平洋岸じわり隆起 防潮堤の高さ見直しも
東日本大震災の巨大地震に伴って沈下した東北地方の太平洋沿岸部の地盤が一転、じわじわと隆起している。これまでに40センチ以上盛り上がった場所もあり、宮城県内では未完成の防潮堤の高さを引き下げる動きも出てきた。国土地理院(茨城県つくば市)は「全域が一様に上がったり下がったりしているのではなく、非常に複雑な現象が起きている。今後の推移を予測するのは困難だ」としている。
公共事業の高さの基準となる「水準点」について、国土地理院は2月末、東北地方から北関東の約570カ所の最新版を公表した。水準点の改定は震災発生直後の2011年10月版以来。宮城県石巻市内で30センチ、同県気仙沼市内で24センチ、岩手県釜石市内で17センチ、福島県新地町内で14センチと大幅に上昇した。
人工衛星を活用した観測によると、もともと11年3月11日の巨大地震の翌日には、地震前日と比べて東北から関東地方にかけた広い範囲で地盤が沈降し、東方向にずれた。宮城県・牡鹿半島(石巻市)の観測点の変動量が最も大きく、東へ約5メートル動き、1メートル以上沈降していた。(共同)
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