Tuesday, July 12, 2016 5:47 PM

雇用改善ペースは今後鈍化 セントルイス連銀総裁

 セントルイス連邦準備銀行のブラード総裁は12日、ミズーリ州セントルイスで、米国の雇用改善ペースは今後鈍化するとの見方を示した。米国の労働市場は最大雇用に近づいており、安定的に毎月20万人の水準で雇用が増えることはおそらくもうないだろうと述べた。ロイター通信が伝えた。

 米雇用統計によると、非農業部門の新規就業者数の伸びは、4月が14万4000人、5月が1万1000人と減速が続いた後、6月は28万7000人へと大きく持ち直した。総裁は「雇用の伸びが継続して減速することを予想している」とし、雇用がこれまでに十分な改善を遂げたことを考えれば、それは正常な動きだとした。

 総裁は、長期債を中心とした米国債の利回り低下に関し「ウォール街は、成長鈍化の兆しだと受け止めているが、英国の欧州連合(EU)離脱決定のショックを受けて逃避買いが入ったためだ」と指摘。比較的安全な資産とされる米国債への投資資金の流入が利回りを押し下げているのであって「米経済の見通し(の低調さ)を示しているとは思わない」とした。(共同)