Tuesday, July 12, 2016 5:47 PM

仲裁判断、大々的批判宣伝 中国政府とメディア一体

 中国政府は、国連海洋法条約に基づく仲裁裁判所が12日に南シナ海を巡る中国の主張を全面的に否定する判断を出した直後から政府機関、メディアが一体となり大々的な批判キャンペーンを展開し、13日も続けた。自らの正当性の主張に躍起となっているのは、中国の「完敗」に国民が反発することへの警戒感が背景にある。

 政府と官製メディアによる大規模な宣伝活動は2012年の日本政府による沖縄県・尖閣諸島の国有化以来とみられ、この時は全国で大規模な反日デモが起きた。12日には、仲裁裁判を申し立てたフィリピンの北京市内の大使館周辺で厳戒態勢が敷かれたが、デモなどの動きは確認されていない。

 国営中央テレビは12日午後7時(日本時間同8時)の定時ニュースで冒頭から終了まで南シナ海問題一色。習近平国家主席が「南シナ海の島々は昔から中国の領土」と語る姿を放映した後に、裁判所の判断を「受け入れない」とする李克強首相の発言を伝えた。(共同)