Monday, March 20, 2017 11:33 AM

豊洲、交渉経緯解明されず 石原氏「浜渦に一任」

 豊洲市場への移転問題を検証する東京都議会の調査特別委員会(百条委員会)は20日、市場移転を決定した当時の知事だった石原慎太郎氏を証人喚問した。石原氏は「移転を決裁した責任は認める」としつつ、東京ガスとの用地売買交渉は「浜渦(武生元副知事)に一任していた」と従来の説明を繰り返し、ガス工場跡地を選んだ妥当性や水面下で行われたとされる交渉経緯は解明されなかった。

 石原氏は「科学者が豊洲は安全と言うのに、なぜ移転しないのか。不作為の責任が問われるべきだ」と改めて小池百合子知事を批判。自身が知事時代に、豊洲市場の地下水は、飲み水の環境基準以下にする方針が決まったことを認め、「ハードルが高すぎたかもしれない」と述べた。小池知事には「基準にとらわれず、都民のことを第一に考えて移転すべきだ」と注文を付けた。

 これに対し、都庁で取材に応じた小池知事は「(地下水対策は)安心確保の措置として石原都政から決まっていた。途中で打ち切れないから移転を延期した。私が新たにハードルを上げたということではない」と反論した。(共同)