Friday, March 24, 2017 10:45 AM

初の道徳教科書、検定合格 小学校、全24点いじめ扱う

 文部科学省は24日、2018年度から使う教科書の検定結果を公表した。教科化に伴い初めて作られた小学校の道徳教科書は8社が申請した24点全てが合格し、いじめに関する教材を全点が扱った。主に高校2年で使う教科書も全て合格したが、15年成立の安全保障関連法を巡り、集団的自衛権を行使できる「武力行使の新3要件」の詳しい説明や、近現代史や領土問題で政府見解の明記を求める検定意見が付くなど、政府の立場に沿わせる傾向が続いた。

 道徳教科書では、現在使われている文科省作成の副読本「私たちの道徳」に収録されているものを含め、複数社が取り上げた読み物は計113作品。うち8作品は8社全てが採用するなど内容が似通う面があった。

 文科省が「考え、議論する道徳」を掲げたことを受け、各社は児童に自分の考えをまとめさせるような構成で対応。一方、学習指導要領で定めた学習内容に触れていないとの指摘を中心に、計244件の意見が付いた。(共同)