Friday, March 31, 2017 10:51 AM

東電、経営陣を大幅刷新 社長に53歳小早川氏

 東京電力ホールディングス(HD)は31日、広瀬直己社長(64)の後任に小売り部門の東電エナジーパートナーの小早川智明社長(53)を充てる首脳人事を正式に発表した。厳しい経営環境で背水の陣となる新体制は、若返りに加え、取締役13人のうち10人が新任の大幅な刷新となった。数土文夫会長(76)の後任には、新社長の後見役として経済界の重鎮である日立製作所の川村隆名誉会長(77)が就任し、経営改革を後押しする。

 東電HDは31日、取締役会を開き、社長ら首脳陣の人事を議論。東電の議決権の過半数を持つ政府は、廃炉や賠償など福島第1原発の事故対応費用の試算が約22兆円と倍増したことを受け、経営再建計画の抜本改定や人事刷新が必要と判断した。6月下旬の定時株主総会を経て交代する。

 広瀬社長は取締役を外れ、新設した執行役副会長に就き、原発事故の賠償などを担当する。社外取締役には三井物産の槍田松瑩元社長や中央大学法科大学院の安念潤司教授、経営共創基盤の冨山和彦最高経営責任者らの起用が決まった。執行役人事では福島復興本社代表の石崎芳行執行役副社長が退任し、福島担当特別顧問に就任する。(共同)