Wednesday, April 05, 2017 10:24 AM

医療事故、手術起因5割 届け出までは平均33日

 日本医療安全調査機構(東京)は5日、医療事故調査制度開始の2015年10月から昨年12月までに「患者の予期せぬ死亡で院内調査が必要」として届け出があった487件の分析結果を発表した。5割超の255件は「手術(分娩を含む)」に起因した事案だった。死亡から届け出までの平均日数は33・1日。277日かかった事案もあり、調査が必要かどうかの判断に医療現場が苦慮する状況もうかがえた。

 一方、医療機関約2800施設へのアンケートでは、制度の理解に関し「全体的に進んでいない」「一部職員は進んでいない」との回答が8割を超えた。理解が進まない内容は「院内調査の方法」「事故報告の判断」を挙げる病院が多く、機構の木村壮介常務理事は「医療機関への研修を徹底する」とした。

 487件の届け出を分類別にみると、「手術」のほかは「カテーテル挿入などの処置」が50件、「輸血を含む投薬・注射」39件などだった。手術255件の内訳は「開腹」が50件、「帝王切開術を含む分娩」40件、「腹腔鏡下」35件など。(共同)